稲荷社

稲荷社(いなりしゃ)

稲荷社は、京都にある伏見稲荷大社(ふしみいなりたいしゃ)の主祭神である宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を祀った神社で、そこから「御分霊」という形で各地に勧請されたものだそうで鹿手袋の稲荷社もそのひとつです。

宇迦之御魂神は一切の食物を司り、その根本である“稲”の生産豊饒を守護される神さまで、イナリは「稲生り」の義であるといわれています。

 

日本は古くより農業が盛んで、お米を主食としていたことから農耕神に対する信仰が深く、それゆえに稲荷信仰と結びつき、広く伝播したといわれています。

また、中世から近世にかけて工業が興り、商業が盛んになると、稲荷の神徳も農耕神から、殖産興業神、商業神、座敷神と広がり、衣食住の祖神として農家だけでなく漁村にも、また、大名・町家・商家に至るまで幅広く稲荷大神が勧請されました。

 

どんなご利益があるの?

現代では、五穀豊穣に加え、商売繁盛産業興隆家内安全交通安全芸能上達の守護神として広く信仰を集め、全国でも多くの神社にて祀られています。


稲荷神はキツネ!?

なぜ稲荷に“キツネ”のイメージがあるかというと、キツネは稲荷伸の眷属(けんぞく)…神様の使者といわれています。

その昔、私たちのご先祖様は、キツネを神聖な動物と考えていました。農事が始まる春先から秋の収穫期にかけて里に降りて姿を現し、収穫が終わる頃に山へ戻っていくことから、農耕を見守る守り神のように考えられていたそうです(諸説あります)。

 

初午

毎年2月最初の午の日を“初午”といい、全国的に稲荷神社の祭日となります。

初午

 

大きい鳥居と小さい鳥居

鹿手袋八幡社内に鳥居が2つあるのはご存知でしょうか?

正面左、小さい鳥居は稲荷神社専用の鳥居だそうです。たしかに稲荷神社の正面に建ってますよね。

鹿手袋八幡社内にはたくさんの神様がいらっしゃいますので、取り急ぎ稲荷の神様だけにご用の時は小さい鳥居をくぐってお参りされると良いかもしれませんね!

 

最高位の神様?

初午の日、朝から「正一位(しょういちい)稲荷大明神」と書かれた年季の入った幟(のぼり)が掲げられますが、この「正一位」とは…神様の最高位の位のことだそうです。

他の「正一位」にはどんな神社があるのかというと…

松尾大社、上賀茂神社、下鴨神社、春日大社、石上神宮、枚岡神社、香取神宮、鹿島神宮、日吉大社、伏見稲荷大社…

ビッグネームばかりです。

実は、鎌倉時代の天皇「後鳥羽天皇」が、稲荷神の本社である伏見稲荷大社を訪れた際に、分霊先でも正一位を名乗ることを許可してしまったため、全国の稲荷神社が正一位を掲げるようになってしまったそうです…。

そんなすごい位をもった神様が鹿手袋にいらっしゃっいますので、ぜひお参りください。

 

ちなみに… 稲荷神社の社の下をそっと覗いてみてください。

何があるかは見てのお楽しみですヽ(≧▽≦)ノ