日月社

日月社(にちげつしゃ)

太陽の神である「天照大神(あまてらすおおみかみ)」と月の神「月夜見尊(つきよみのみこと)」が祀られる、とても珍しい神社で、全国的にみても他にひとつあるかないかという希少な神社で、古くから地域にお住まいの方から「おてんとさま」の愛称で親しまれています。

 

天照大神は、大日孁貴(おおひるめのむち)、天照大日孁尊(あまてらすおおひるめのみこと)などとも呼ばれ、日本における最高位の神様でありながら、男性神?女性神?呼び名もいろいろ存在する謎の多い神様のようです。

神々が生活する天上界の最高責任者で「天岩戸神話」に登場することでご存知の方も多いのではないでしょうか。

太陽神であり、天皇の祖神であり、そして日本の最高神である天照大神は、国に平和と豊かさを与える神として、伊勢神宮の祭神でもあります。

 

一緒に祀られている月夜見尊、八幡社境内、右手の社「須賀神社」に祀られている素戔嗚尊(すさのおのみこと)と兄弟で三貴神と呼ばれています!兄弟揃って鹿手袋に祀られているなんて驚きですね。

【古事記:天照大御神、日本書紀:天照大神】


月夜見尊は、暦や年中行事など、生活に大きな関りを持つ月の神様で、お名前からすると女性っぽいですが男の神様です。

記紀(古事記・日本書紀)の中では月讀命と表記されていますが、現代語で月読と書かれることがほとんどです。

元々の「読む」という漢字は、月の月齢を数えるという意味があるそうで、月の満ち欠けによって暦を作り、農業へ役立てたり、潮の満ち引きを予測するということを意味する、農業や漁業への関りが深い神様です。

【古事記:月読命・日本書紀:月夜見尊】

 

一年の恵への感謝と、その年の五穀豊穣を祈願し、毎年1月15日に「日月社団子くれ」という祭事が行われます。


日月社団子くれ

どんなご利益があるの?

天照大神のご利益は、国土安泰開運勝運福徳とされ、月夜見尊は、伊邪那岐(いざなぎ)の右目より生まれたとされており、眼病平癒にご利益があると知られています。

また、”見る”ということから「先見の明」に通じ、先を読む開運の神・厄除けの神としても崇拝されています。また、”月読”より「月の引力」に通じ、潮の干満に影響される安産海上安全五穀豊穣大漁などの祈願に、ご利益があるといわれています。

社の奥には太陽と月のレリーフがあります

さらに奥の日月社の看板には、昭和7年1月と書かれています。

さらに扉を開けるとその奥には、天照大神と月夜見尊が描かれた御影額が奉安されています。


日月社の歴史(埼玉県神社庁:埼玉の神社より)

歴史は古く、「風土記稿」鹿手袋村の項に「日月宮 村の鎮守なり神体は方版に画き、裏に元禄4年(1691年)の銘あり」とあるそうですが、その後火災にあったとされ、天保8年(1837年)再建されたことが棟札に記されているそうです。
往時の神体は失われてしまったようですが、代わりにそれを模したものなのか、裏面に「天保八年酉三月吉日建立 仙蔵」と墨書がある日光月光の両菩薩を描いた彩色の御影額が奉安されています。

その後に、昭和7年、24年に社殿改修、平成3年には大幅な改築がなされ現在に至っています。

 

現在では、八幡社が鹿手袋の鎮守として意識されていますが、八幡社が移設される前の江戸期の村の鎮守は日月宮だったようです。
また、埼玉県神社庁発行の「埼玉の神社」、神社庁の登録では「じつげつしゃ」の呼び名で登録されています。